短期滞在から日本人の配偶者等への在留資格変更許可申請
親族訪問や観光などの短期滞在ビザから結婚ビザへの変更は原則的にできないことを説明した行政書士のイラスト。
原則的には短期滞在から配偶者ビザへの変更は不可能です。
しかしながら例外があります。
実際には例外の方が多くなっている感じではありますね・・・
入管局の方針で将来的にどうなるかは不明ですが。
やむを得ない事情がある場合
例外的に「特別にやむを得ない事情がある場合」は変更が可能です。
やむを得ない事情とは・・・カップルに子供が生まれた等。
入国管理局に事前相談が必要です。
短期滞在から配偶者ビザへの変更のハードルが高いですけども、チャレンジする価値はあります。
出入国在留管理局へ相談に行く場合
入管局へ向かう時は、ビザの変更書類一式を用意しておくとベストです。
少なくとも説明するのに必要な書類は全部持っていくことをお勧めします。
完成書類をもってなら南港の入管局へ出向き、相談カウンターで審査官に面談を申し込みます。
個室の相談室で審査官に理由を説明します。
そして審査官から提出の許可が出た後に、窓口に出向いて申請書類を提出します。
滞在中に在留資格認定証明書の申請
短期滞在中に母国からの呼び寄せ手続きを経て、ビザの変更が可能なことを紹介した行政書士の画像。
もう一つの方法
・短期滞在中に在留資格認定証明書を申請する。
・期滞在中に証明書が交付された。
・認定証明書を用いて、在留資格変更申請。
・短期滞在から日本人の配偶者等のビザ。
たまたま外国人が日本に居て書類を提出した体裁をとります。
この方法のメリット・デメリット
メリットは外国人配偶者との離れ離れになる期間が短くて済みます。
婚約者が短期滞在で来日し日本で婚姻手続きを済ませ配偶者ビザを取得に成功すると、そのまま日本で暮らすことが可能になります。
何度も日本と母国を往復する必要がないので、余計な旅費も節約できますね。
デメリットは例外的な処理なので、受理されない可能性があります。
90日の期間で在留資格認定証明書の交付まで終わらせる必要があり、タイトなスケジュールになります。
また査証免除国でも90日の滞在許可が出ない国だと、この手は使えません。
インドネシア・タイ・ブルネイ・アラブ首長国連邦の方の場合、短期滞在は15日なので、この方法は事実上使えません。
短期滞在の入国目的の選択が配偶者ビザ審査で重要視されます。
短期滞在の目的は4種類あり、いずれも90日以内の期間です。
・観光
・商用
・知人訪問
・親族訪問
短期滞在から配偶者ビザへ変更や滞在中に在留資格認定証明書交付申請(呼び寄せ)を行う場合、商用や観光の目的だと不許可になる可能性が非常に高いです。
配偶者ビザ手続きを目的とする場合は以下のパターンである必要があります。
・知人訪問(未婚の段階)
・親族訪問(結婚済み)
この何方かで日本に入国する事が重要です。
非査証免除国の場合、配偶者ビザ目的の短期滞在ビザが許可されにくい。
査証免除国と非免除国(中国など)で手続が異なります。
査証免除がない国のほうは事実上は非常に難しいです。
査証免除国:入国→在留資格認定証明書→在留資格変更申請。
ノービザで入れない国:査証(現地の大使館)→入国→認定証明書→変更申請。
短期滞在から配偶者ビザを取る手法はノービザの国でないと厳しいです。
非免除国の場合、大使館が査証を出さないケースが多いです。
ノービザで入国の場合はEDカードに注意が必要です。
短期滞在は査証免除国とそうでない国とで手続きが異なります。
非免除国の場合はEDカードで問題になるケースは少ないです。
問題は査証免除国&数次査証を取得している方です。
許可された期間内であれば何度も使用可能な査証です。
本国と日本を出張などで往復する場合には便利な制度(必須)です。
これを持っていれば、特に問題なければ簡単に入国ができます。
簡単な所に落とし穴があるのです。
例えば商用で数次査証を取っていた方が、日本人と結婚したとします。
ここで日本に入国する際に空港で書かされるEDカードの入国目的欄に観光や商用などにチェックを入れてしまうと、配偶者ビザ手続きが不許可になる可能性があります。
空港で記入するEDカードの見本画像。
画像の引用元:出入国在留管理庁のリーフレットより抜粋
注意:上記のURLをクリック・タップするとPDFがダウンロードされます。
観光や仕事で日本に来たのに・・・
どうして結婚して配偶者ビザの申請をしているの?
と入管局の審査官に疑いを持たれてしまうことで発生します。
EDカードの目的欄にチェックを入れるだけなので、商用や観光にチェックを入れてしまう可能性があります。
十分にご注意ください。
3か月の間に認定証明書交付申請と在留資格変更手続きを両方完了させる必要あり。
外国人配偶者が親族訪問で来日中に結婚ビザへ変更する場合はタイムスケジュールが厳しいことを行政書士が説明した画像。
時間との勝負になり、周到な事前準備が必要になります。
・90日の短期滞在許可を貰っていてもギリギリです。
・期間内に認定証明書が発行されなければ、即座に出国が必要。
出国しなければ、不法残留となって退去強制の対象になるリスクがあります。
審査中に期限が切れた場合に、在留期間が延長される制度は認定証明書では適用されません。
審査中だから期限が延びると勘違いする人が多いのでご注意ください。
日本人の配偶者等の審査期間
法務省が発表している日本人の配偶者の平均的な審査期間が58日となっています。
(最新の発表では74日になっています。)
提出から2か月強が必要ですね。
これはスムーズに審査が進んだ場合ですので、追加書類の提出などがあれば1か月くらいは平気で伸びてしまいます。
在留資格認定証明書の申請を来日して直ぐに提出してギリギリ間に合うかという計算になりますね。
理想的なスケジュール
短期滞在で来日する前に、在留資格認定証明書に必要な書類一式を揃えます。
認定証明書だけでなく、変更申請の書類も予め準備する必要があります。
この段階で婚姻が終わっていなければ、国際結婚の手続きに2種類の入管手続きと3つの手続きを立て続けに行うことになります。
日本に滞在中に用意した場合、時間が足りなくなる可能性があります。
外国人配偶者が短期滞在で来日して即座に入管局に認定証明書の書類一式をもって事前相談を行います。
相談した後で用意していた書類一式を提出します。
特に追加書類の提出や調査が入らなければ、74日程度で認定証明書が発行されます。
発行された証明書を用いて在留資格変更申請を行います。
スムーズにいけば90日でギリギリで在留資格が下りる可能性が高いです。
準備が整っていない状況だと
来日前に準備なしの場合。
日本に訪問して、必要な書類を調べるところからスタートします。
収集に時間がかかるのが配偶者の母国でしか取得できない書類の取り寄せです。
必要書類を集めるだけで、1か月を超えることも珍しくありません。
この段階で1か月から2か月が経過しています。
必要書類が集まった後に申請書を作成します。
出入国在留管理局に在留資格認定証明書の申請を行います。
審査に最低でも74日必要なので、書類の準備に2週間掛けると短期滞在ビザが切れます。
短期滞在の期間が過ぎたら、外国人配偶者の方は母国へ帰らなければなりません。
短期滞在の期限が切れた後も日本に居続けると
来日中に日本への呼び寄せ手続きが完了しない場合は、外国籍配偶者は一度母国へ帰国する必要があることを行政書士が説明したイラスト。
入国管理局から在留資格認定証明書が下りず、90日の期限経過後も日本に滞在すると不法残留(オーバースティ)になります。
入管法には審査中に在留期限が切れた場合は最大2か月の延長制度がありますが、短期滞在の人は対象外になっています。
不法残留になってしまうと退去強制の対象となり、正真正銘な結婚であっても配偶者ビザが出なくなる可能性が高くなります。
例外的な措置は、ルールの変更で出来なくなるリスクがあります。
例外的な措置なので、受理されないケースがある。
短期滞在からの変更よりも原則的な方法のほうが早くなることも
短期滞在から日本人等の配偶者への在留資格変更は、時間的にも精神的にもシビアな手続きです。
入管法に載っていない裏技的な方法なので、受理されない可能性があります。
海外に外国人のパートナーがいる場合は、普通に呼び寄せの手続きをしたほうがスムーズな時も多いです。