香港人と国際結婚
香港人との国際結婚は香港特別行政区の役所と日本の役所の両方で婚姻手続きが必要なことを紹介している画像。
同じ一国二制度を持つマカオの国際結婚の手続きはこちら。
香港人の結婚可能年齢
国際結婚で重要なのが、お互いの国の結婚可能年齢です。
現在香港は中国の中に組み込まれていますが、一国二制度が採用されており、中国本土とはかなり制度が異なります。
結婚可能な年齢も香港はかなり独特なものになっています。
親の同意があれば男女ともに16歳で香港人は結婚することが可能です。
21歳以上であれば、親の同意なしでも結婚することができます。
同意がなければ結婚登記所から証明書が発行されません。
国際結婚を行う前に知っておくこと
国際結婚を行う前に事前準備で知って置くとトラブル回避になるものを別の記事でご紹介します。
宜しければ、こちらの記事もご覧になってください。
外国での結婚には落とし穴が意外とあります。
日本の役所でも国際結婚が少ない地域だと、手続きに手間と時間がかかります。
婚姻手続きはどちらの国から始めるか?
国際結婚の手続きはどちらの国からでも始めることが可能です。
手続きだけを見ると、日本で創設的届け出(最初に婚姻届けを出す)ほうがスムーズです。
結婚登記所の予約に3か月以上かかり、15日の公示期間が必要など意外と時間がかかります。
その代わり香港の結婚登記所から、証明書が出ない状態になります。
どちらの国から結婚を始めるのかは、香港人の婚約者の状況に依ります。
香港の方が日本に来れないならば、香港で手続きをすることになります。
短期滞在で日本に入国した場合、中国大使館から婚姻要件具備証明書を発行されません。
日本の市役所から手続きを開始する場合
香港人と日本人の国際結婚の流れを紹介した画像。
手続きの流れ
簡単に流れをご紹介します。
・香港にある結婚登記所で独身証明書を取得します。
↓
・日本にある中国大使館で婚姻要件具備証明書を取得します。
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・日本の配偶者が住んでいる場所の区役所で婚姻届けを提出します。
日本の区役所で届け出が完了した段階で、香港側も結婚が成立したことになります。
中国大使館に結婚の届け出をする必要はありません。
参考までに中国大使館のURLを掲載します。
香港人の婚姻要件具備証明書を取得する際にチェックしてください。
http://www.china-embassy.or.jp/jpn/lsfu/gzrz/t913467.htm
香港とマカオの方は、香港・マカオの役所が発行した独身証明書が必要になります。
また日本での在留資格が切れている方の場合には陳述書が必要になります。
短期滞在で来日した場合
香港は中国本土と違って、査証免除国になっています。
正確には香港特別行政区旅券及び英国海外市民(BNO)旅券を所持する方(香港居住権所持者)ですが。
日本で結婚したほうが時間が掛からないので、香港人のフィアンセが短期滞在ビザで来日して、区役所で婚姻届(入籍)したい方は少なくありません。
この場合だと中国大使館で婚姻要件具備証明書を発行してもらえません。
大使館の証明書がなければ、原則的に日本の区役所は婚姻届けを受理してもらえませんのでご注意ください。
香港の独身証明書
香港の結婚登記所という役所で発行してもらいますが。
独身証明書という書類は存在しません。
正確には「婚姻記録不存在証明書」という書類を取得することになります。
香港の婚約者が登記所に本人の婚姻記録を照会します。
照会の結果、結婚の記録なしと出たら、証明書を発行していもらいます。
その証明書が「婚姻記録不存在証明書」と呼ばれるものです。
必要書類
中国大使館で婚姻要件具備証明書を取得する時の必要書類。
・香港人のパスポートのコピー
・在留カードのコピー
・独身証明書(婚姻記録不存在証明書)
・離婚届受理証明書(離婚経験がある場合)
日本の市役所に提出する書類
日本人
・戸籍謄本
・婚姻届
香港人
・婚姻要件具備証明書(中国大使館・総領事館で取得したもの)
・具備証明書の日本語訳
・パスポート
香港から国際結婚の手続きを始める場合
香港人と日本人の国際結婚で、香港の役所で手続きをする場合の流れを紹介した画像。
手続きの流れ
・結婚登記所と呼ばれる香港に5か所ある役所に、入籍式(結婚式)の予約を入れます。
インターネットで予約が可能です。
入籍日の3か月前から、予約受付がスタートします。
クリスマスなどの人気がある日は、予約を取るだけでも大変です。
一説には人気アイドルグループのコンサートチケット並みだとか。
↓
・予約を入れた後に、日本の区役所で日本人の戸籍謄本を入手します。
↓
・戸籍謄本を外務省で認証してもらいます。
など関西地方にお住まいの方は、の大手前地区にある外務省分室で行います。
↓
・外務省で認証が終わったら、中国大使館でもう一度、戸籍謄本の認証を行います。
の場合は、駐中国総領事館で行ってください。
↓
・香港にある在香港日本総領事館で婚姻要件具備証明書を取得します。
↓
・予約を入れた日に婚姻登記所に出向きます。
そこで本登録を行います。
↓
・本登録の後に登記所の掲示板に二人の結婚のことを書かれた紙が貼られます。
15日間の間に結婚に反対がなければ、次の結婚式に進みます。
↓
・15日経過後に結婚登記所に出向き入籍式(結婚式)を行います。
結婚式には2人の証人の立ち合いの元に行われます。
↓
・結婚式が終了すると役所から「結婚登録証明書」が発行されます。
ここで香港側の婚姻手続きが終了します。
↓
・在香港日本総領事館で婚姻届を提出します。
ここで日本側の手続きも完了です。
外務省分室
中国へ提出する日本の書類には外務省の認証が必要になります。
の場合は、市中央区にある外務省分室にて手続きを行います。
参考までに外務省分室のウェブサイトのURLを掲載いたします。
外務省認証を受ける際にチェックしてください。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/local/osaka/ambassador.html
このページの下のほうに証明事務をクリックすると、認証関係のコンテンツに到達します。
場所はメトロの谷町線の谷町4丁目駅の直ぐ傍にある合同庁舎4号館の中にあります。
比較的に便利な場所にあります。
必要書類
結婚登記所の予約で必要な情報
・香港人のID番号
・日本人の氏名
・日本人の連絡先(電話番号)
・パスポート番号
外務省で必要な書類
・戸籍謄本
・身分証明書(免許証など)
・委任状(第3者が申請する場合)
・レターパック(郵送で受け取りを希望する場合)
中国大使館で必要な書類
・外務省で認証された戸籍謄本
・パスポートと写真ページのコピー
・免許証の原本とコピー
・委任状(第3者が申請する場合)
・代理人の身分証明書と写し
在香港日本総領事館で必要な書類
・パスポートの原本とコピー
・戸籍謄本(3か月以内に発行されたもの)の原本とコピー
外務省と中国大使館で認証されたもの
結婚登記所の本登録で必要な書類
・香港人のIDカード原本
・日本人のパスポート原本と写し
・婚姻要件具備証明書(日本総領事館で取得したもの)
日本総領事館で必要な書類
・二人のパスポートの原本と写し
・結婚登録証明書の原本と写し(結婚式の後に発行されるもの)
・戸籍謄本
香港での結婚の特徴
香港で結婚手続きをする場合の特徴を紹介した画像。
香港と中国本土は別の法律が適用されます。
1999年に香港はイギリスから中国に返還されて、今は中華人民共和国に所属しています。
中国は一国二制度を採用しており、中国本土の法律と異なるルールが香港では適用されます。
婚姻手続きも中国の制度とイギリスの制度がミックスしたような感じになっています。
最後に簡単にご説明しようと思います。
婚姻登記所だけでなく礼拝所でも結婚式が可能
香港は入籍式を行うことが認められた礼拝所でもすることが可能です。
礼拝所で行う場合でも、登記所で15日間の掲示と2名の証人の立ち合いが必要です。
礼拝所で署名し発行された結婚証明書は1通は新婚夫婦に渡され、残りは結婚登記所に送付されます。
結婚登記所で15日間の公示
結婚登記所で本登録が終わりますと、婚姻意思の通知を役所の壁に張り出されます。
通知は15日間の掲示板に貼り付けられ、誰でも見ることができるようになっています。
結婚登記所の壁はピンク色で埋め尽くされていると聞きます。
この間に今回の結婚に反対の者がいた場合は、役所に申し出ることができます。
15日間の間に異議が出なければ、次の結婚式に進むことが可能になります。
このような方式は英米系で行われる婚姻意思の公示と呼ばれています。
中国本土や日本では存在しない制度ですね。
日本だと個人情報保護の観点で色々と問題になりそうです。
結婚式には18歳以上の証人が必要
香港の結婚式(入籍式)には、18歳以上の証人の立ち合いが2名必要になります。
香港の婚姻手続きは、儀式がセットになった制度です。
証人も宣誓をする必要があり、広東語か英語で行います。
日本人女性と香港人の男性が結婚したケースでは、女性のお父様が証人になったと聞きます。
どちらも話せない方は、無理やり暗記して宣誓しないといけないので大変です。