モンゴル人と国際結婚する場合の手続き
モンゴル人と日本人が国際結婚する場合を説明する女性行政書士のイラスト。
モンゴル人と日本人が結婚する場合の手続きについてご紹介します。
日本人とモンゴル人の国際結婚は、日本とモンゴルの両方の国で結婚が成立する必要があります。
日本とモンゴルでは法制度や文化が異なります。
結婚の条件も日本とは微妙に違いがあります。
結婚手続きの前に各大使館の情報を確認
モンゴル籍の方だけに限りませんが、国際結婚の手続きを行う場合は、必ずモンゴル大使館と日本大使館の最新情報をチェックしてください。
大使館で必要な書類や手続き、相手国の法律やルールが頻繁に変更されます。
在日本モンゴル大使館
http://www.tokyo.embassy.mn/jpn/
在モンゴル日本大使館
https://www.mn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
国際結婚に関する情報は、領事業務の中の国籍関係のページに書かれています。
モンゴル人の結婚条件
モンゴル人の結婚年齢などを紹介する行政書士の画像。
まずはモンゴル人の結婚年齢などをご紹介します。
結婚年齢
・結婚年齢は男女ともに18歳以上。
・モンゴル方式で結婚する場合は、日本人にも18歳以上が適用。
結婚禁止条件
・重婚は日本と同様に禁止。
・婚約者の双方・一方が重篤な精神病の場合。
・離婚手続きの終了前の再婚。
・近親婚(国際結婚では、あまり関連性が無いですね。)
・里親とその子供の間で婚姻。
・里親と養子の間で結婚。
夫婦の義務と権利
・夫婦は平等である。
・夫婦はお互いに衣食住と大学などで学ぶ権利を侵害されない。
共有財産や個別財産、精神的な侵害を受けた場合は、損害の賠償を請求できる。
・夫婦間と子供への暴力を禁止する。
・家系図を作成する義務。
これらの情報は法務省の委託研究の情報から参照いたしました。
参照元 平成25年度 法務省調査研究請負
モンゴル国における身分関係法制調査研究報告
参照URL http://www.moj.go.jp/content/000124420.pdf
リンクをクリックすると、PDFがダウンロードされます。
ご注意ください。
モンゴル人との国際結婚の特徴
箇条書きにすると、以上のとおりです。
日本人同士なら、存在しないような項目が並びますね。
重篤な精神病で婚姻禁止は日本だと離婚のほうに出てくる項目です。
またユニークな部分だと、家系図の作成が義務付けられる部分です。
日本だと相続手続きの一環で作成するくらいですからね。
モンゴル方式(モンゴルの役所で創設的届出)する場合は、日本人の女性も18歳以上でないと結婚できないことになります。
モンゴル大使館や国民登録情報センターでの審査に30日前後、健康診断書の入手、警察本部で犯罪経歴証明書で2週間など、非常に手間と時間がかかります。
婚姻手続きでの特色
モンゴル人と国際結婚手続きでのポイントを紹介する女性行政書士の画像。
流れの説明に入る前に、手続きでの特色をご紹介します。
・警察本部発行の犯罪歴証明書が必要。
・HIV、性病、精神病、結核の健康診断書が必要。
・モンゴル大使館に提出する書類はカラーコピーで2部必要。
(原本と合わせると3部)
・モンゴル大使館から独身証明書の発行には30日かかる。
・モンゴルの国民情報登録センターの審査も30日必要。
モンゴル人との国際結婚は、健康診断がネックになってきます。
多くのモンゴル人と結婚した人で、モンゴルで暮らす場合には、毎年健康診断を受ける必要があると聞いています。
コピーは白黒ではダメで、カラーコピーで2部という指定があります。
これを知らずに白黒コピーを持参すると、受付が厳しくなります。
(この場合は近くのコンビニでカラーコピーすることで対処可能)
警察本部発行の犯罪歴証明書
都道府県警察本部で入手する犯罪経歴証明書の取得手続きに関する注意点を紹介する女性行政書士のイラスト。
モンゴル人との国際結婚での難関は、警察本部の犯罪経歴証明書の申請手続きです。
これがかなり面倒な手続きになります。
特徴を箇条書きにすると
・警察本部(警視庁)に本人が出頭。
・警察署では発行されない。
・指紋の採取がある。
・手続きは30分程度。
・書類が出来上がるのに2週間。
・発行された書類は郵送不可
(警察本部に自分で取りに行く)
・受付時間は平日のみで、昼休みの間は受付不可。
(11時30分から13時まで昼休み)
・受付は鑑識課。
・手数料は無料
これを読んだだけでも、面倒そうな雰囲気が伝わってきますね。
忙しい人だと、半日の有休を2回取らないと厳しいかも知れません。
詳しくは所在地の警察本部のウェブサイトでご確認ください。
府警本部のURLを掲載しておきます。
https://www.police.pref.osaka.lg.jp/tetsuduki/5042.html
犯罪経歴証明書の必要書類
警察本部に持参する書類をご紹介します。
・使用目的書類
・パスポートの原本
(コピーはダメ)
・住民票の写し
使用目的書類は大使館などが犯罪経歴証明書を要求していることが分かる書面。
次の見出しからモンゴル人との国際結婚の流れと必要書類をご紹介します。
日本方式(区役所から手続きスタート)の場合
モンゴル人と日本人の国際結婚で市役所から手続きを開始する場合を紹介する行政書士のイラスト。
まずは日本方式でのモンゴル人との国際結婚手続きをご紹介します。
手続きの流れ
①在日本モンゴル大使館
(モンゴル人婚約者の婚姻要件具備証明書を取得)
(審査に30日前後、要します。)
(カップル二人の出席が必要)
↓↓↓↓↓
②日本の区役所
(婚姻届を提出し、婚姻事実が書かれた戸籍謄本を入手)
↓↓↓↓↓
③在日本モンゴル大使館
(報告的届出を行い、婚姻証明書をゲット)
(カップル二人の出席が必要)
↓↓↓↓↓
④国際結婚の手続き完了。
(次は配偶者ビザの申請です。)
必要書類
①モンゴル大使館で具備証明書のをもらうための必要書類
モンゴル人の必要書類
必要書類 |
ポイント |
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旅券の写し |
|
国民登録証の公証済みの写し | |
出生証明書の公証済みの写し | |
国民情報登録センター発行の独身証明書 | 発行から45日以内 |
離婚登録に関する書類、裁判所決定 | モンゴル人婚約者が離婚歴あり |
警察庁発行の犯罪経歴証明書 | |
モンゴルの居住地役場の住民票 | 居住証明書 |
健康診断書 | HIV・性感染症・精神病・結核 |
婚姻申請書 | |
学生証・在籍証明書 | 勤務先・在籍する学校より |
手数料2000円 |
日本人の必要書類
必要書類 |
ポイント |
---|---|
戸籍謄本 | モンゴル語訳を添付 |
旅券or運転免許証の写し | |
住民票 | モンゴル語訳を添付 |
健康診断書(HIV・性感染症・精神病・結核) | モンゴル語訳を添付 |
婚姻申請書 |
モンゴル語訳を添付 |
・原本とカラーコピー2部の合計3部必要。
・審査後にコピー1部と原本を返却。
・受理後に婚姻事実が記載された戸籍謄本と返却された書類一式をもってモンゴル大使館へ二人で持参。
②の区役所での提出書類
必要書類 | ポイント |
---|---|
婚姻届 | |
戸籍謄本 | |
婚姻要件具備証明書 | 日本語訳した文書を添付 |
在留カードなど、区役所が指定した書類 |
③のモンゴル大使館へ報告的届け出に必要な書類
必要書類 | ポイント |
---|---|
戸籍謄本(婚姻事実記載あり) | モンゴル語の翻訳文を添付 |
①で返却された書類一式 | 念のため原本とカラーコピーの両方を持参 |
モンゴル方式(モンゴルの役所で創設的届出)
モンゴル方式で国際結婚する場合について、説明する女性行政書士のイラスト。
次はモンゴルの役所から婚姻手続きをする場合です。
流れは以下の通りです。
①日本で書類の準備を行う。
(警察本部での犯罪経歴証明書など)
↓↓↓↓↓
②在モンゴル日本大使館
(日本人の独身証明書(婚姻要件具備証明書)の入手)
↓↓↓↓↓
③国民登録情報センター(国家登録庁)
(創設的届出を行い婚姻証明書を取得)
(審査に30日かかります。)
↓↓↓↓↓
④日本の区役所または日本大使館
(婚姻届の提出)
↓↓↓↓↓
⑤ミッションコンプリート!
(手続き完了、次は入管局で配偶者ビザの申請です。
必要書類
日本大使館で日本人の独身証明書
日本人の必要書類
必要書類 | ポイント |
---|---|
パスポート・日本の運転免許証 | |
モンゴルの外国人登録証 | モンゴルで暮らしている日本人の場合 |
戸籍謄本 |
・申請人本人が大使館に来館すること。
・やむを無い場合は、委任状で代理人でもOK。
国民登録情報センター(国家登録庁)での必要書類
日本人が準備する書類
必要書類 |
ポイント |
---|---|
独身証明書 | 日本大使館発行 |
公証済の婚姻申請書 | モンゴル語翻訳分を添付 |
健康診断書(HIV・性感染症・精神病・結核) | |
警察本部発行の犯罪歴証明書 | モンゴル語翻訳分を添付 |
モンゴルでの滞在の経費支弁に関する証明書 | |
身分証明書(旅券など)の写し | 公証役場の公証が必要 |
写真 | |
査証・在留許可の違反がないことの証明書 |
モンゴル人の婚約者が用意する書類
必要書類 |
ポイント |
---|---|
住民登録証明書 | 写真付き |
健康診断書(HIV・性感染症・精神病・結核) | |
独身証明書 | |
モンゴル警察発行の犯罪証明書 |
日本の大使館・区役所に提出する書類
最後に日本の大使館か区役所に提出する書類です。
こらから日本で暮らすなら、区役所で手続きするほうがベターです。
大使館で報告的届出をすると、大使館→外務省→区役所と書類が走るため、時間がかかります。
必要書類 |
ポイント |
---|---|
婚姻届 | |
戸籍謄本 | |
婚姻証明書(国民登録情報センター発行) | 日本語訳文を添付 |
パスポート・運転免許証 |
まとめ
ここまでモンゴル人と日本人の国際結婚手続きについて、ご紹介いたしました。
同国人同士の結婚と比べると、国際結婚はかなり大変な手続きになります。
一つの書類を入手するために、複数の公的書面を用意することが普通にあるのが国際結婚です。
モンゴルの方と結婚する場合は、病院にてHIVや性病、精神病など複数の科にまたがる健康診断書の用意や犯罪経歴証明書など、入手するのに手間がかかる書類が多いことが特徴になります。
国際結婚手続きが終了して、日本で一緒に暮らしたい場合は、出入国在留管理庁に配偶者ビザの申請が待っています。
当サイトの別記事にて、配偶者ビザ申請書の書き方や必要書類のダウンロードが出来ます。
ご興味がありましたら、こちらの記事もご確認くださいませ。
本当に国際結婚は大変です。
しかし乗り越えられない壁ではありません。