技能実習生と結婚して帰国しないで配偶者ビザは下りますか?
外国人研修生と結婚してで暮らすには、一度在留資格をリセットする方が確実であることを説明するイラスト。
技能実習生と日本人の結婚は意外と多いです。
国際結婚といえば、日本人駐在員が現地の異性と恋に落ちて結婚したり、学生時代からお付き合いしていて結婚したケースを想像しますね。
または外国人とのお見合いやマッチングサイトの通じての結婚もポピュラーかなと思われます。
意外と外国人技能実習生と日本人のカップルも少なくないですね。
技能実習生の方の仕事に一生懸命でひた向きな姿に心を打たれて、興味を持ち徐々に惹かれていくパターンですね。
前職で留学生アルバイトの方と仕事をした経験が多い管理人も。
たどたどしい日本語で一生懸命に仕事をする留学生の姿には心惹かれたことがありました。
学校の卒業と同時にバイトを卒業した彼女たちは、何をしているのかな・・・
彼女たちって・・・
それは君が惚れっぽかっただけでしょ。
しかも何も出来ずに見ているだけで終わったと・・・
当サイトの管理人も技能実習生の方に心を惹かれる気持ちは非常に良く分かります。
現在は日本に来るベトナム人の技能実習生が多くなっています。
そして日本人と結婚するケースがあります。
ベトナム籍の方と国際結婚する場合の手続きについて、当サイトの別コンテンツでご紹介しております。
ご興味がある方は、こちらの記事もご確認くださいませ。
技能実習生との国際結婚には試練が待ち受けています。
外国人研修生と結婚した場合は、技能実習ビザから結婚ビザに直接変更することは難しいことを紹介する4コマ漫画。
実習生が帰国しないまま、配偶者ビザを取得することは厳しいのが現実です。
上の4コマ漫画でもご紹介した通り、帰国しないで在留資格「日本人の配偶者等」にビザを変更することは簡単ではありません。
原則的に技能実習ビザから結婚ビザへの変更を出入国在留管理局は認めていません。
技能実習制度の趣旨に反しているのが原因です。
技能実習の目的は教育であり、同時に日本の国際協力活動です。
外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の1条にも明記されています。
人材育成を通じた開発途上地域への技能、技術または知識を移転することで国際協力への貢献をするとあります。
実習生の結婚が、技能実習制度の目的から外れてしまっています。
建前としては身分関係の変更を理由とするビザの変更を原則的に認めない方向になっています。
また就労ビザへの変更も同様です。
外国人技能実習機構
技能実習生に関しては外国人技能実習機構という組織があります。
法務省と厚生労働省の二つの省庁が主管している団体です。
下記のサイトで様々な資料が入手することが可能です。
配偶者ビザ関係で必要になりそうな情報は、実習生への相談窓口などがありますね。
下記のサイトのリンクをたどると、外国人技能実習機構という組織へのリンクがあります。
そこは技能実習の団体を監督する機関です。
相談は日本語だけではなく、中国語、ベトナム語、フィリピン語、インドネシア語、タイ語、英語、カンボジア語、ミャンマー語などで相談ができる窓口があります。
参考までに外国人技能実習機構のURLも掲載しておきます。
ご興味のある方は上記のURLをクリックして、技能実習機構などのサイトをチェックしてみてください。
就労ビザへの変更は絶望的です。
特に技能実習生から就労ビザへの更新は100%不可能と見ていただいて結構です。
実際の相談でも工場や現場で勉強(技能実習は研修です。)している外国人を正社員に雇いたいという会社からの相談は少なくありません。
しかしながら現実的には不可能になっています。
就労ビザの要件を実習生が満たしていないケースが大半ですので。
大学を卒業している、または10年以上の実務経験あり。
これらを満たしている方は、技能実習生ではなく最初から就労ビザで来日しています。
配偶者ビザも事実上は不可能に近いです。
出入国在留管理局の内部審査基準などを参照すると、婚姻関係の成立を理由とした在留資格の変更という件があります。
前提条件も厳しいですけども、出入国在留管理局への届出だけに留まらずに、実習生を送り出す監理団体からも入管局に書類を提出しないと行けません。
手続き的にもハードルが非常に高いので全くお勧めできません。
技能実習から配偶者ビザへの変更要件(難易度高)
直接にビザを変更を希望する場合の要件を掲載しておきます。
前提条件
・夫婦が同居していること。
・実習離脱に係る監理団体による報告書の提出。
・入管法19条の16第1号の離脱の届け出。
まずは国際結婚で求められる同居の要件ですね。
技能実習生との結婚でも、ほかの国際結婚と同様の要件が必要です。
技能実習生の場合は、監理団体と呼ばれる組織から送り出される形になります。
技能実習を途中で抜けるので、監理団体の企業や事業組合は実習生が離脱したことを、出入国在留管理局へ報告必要です。
これがある意味で最大のハードルかなと思います。
入管法19条の16第1号の離脱の届け出とは
所属機関による届け出ですね。
技能実習の場合は、入管局だけではく監理団体からの届出や報告が必要になります。
ですので実現するハードルの高さは半端ではありません。
監理団体も簡単に許可を出さないです。
入管局も実習生が妊娠している、配偶者の子供を出産したなど特別な事情がないと許可を出してもらえないのが現実ですね。
法律上も特別な許可を出してもらう場合は並大抵ではないということです。
派遣元の組合が実習期間中の結婚を禁止しているケースもあります。
技能実習期間中に結婚して配偶者ビザを取得することは不可能ではありません。
しかしながら監理団体(派遣元の組合)が技能実習期間中の結婚を禁止しているケースもあります。
技能実習に来る前の契約書に明記されていることがあります。
約束を破ると、最初に預けたお金を没収される条項があるとか。
監理団体に支払った40万円から60万円くらいですかね。
向こうのサラリーマンの年収の数年分に匹敵する金額です。
技能実習期間中の結婚ビザの取得だけではなく、婚姻届の提出も全部ダメということもありました。
組合や派遣元の企業が結婚の許可を出さないと、外国の大使館も婚姻要件具備証明書も出さない場合も多いです。
監理団体の許可が出ないと、配偶者ビザの前段階の婚姻手続きも難しくなります。
現実的には実習期間終了後に呼び寄せる方法がベストな選択に。
監理団体が結婚の許可を出さないという一面だけを切り取ると・・・
彼らにも事情があり、致し方がない部分もあります。
実習生を一人送り出すのもタダではないですからね。
日本語など教育コスト、送り出しまでのお金。
結婚した人の穴埋めに必要な時間とコスト。
難しい問題ですね。
帰国してから再度日本に呼び寄せる。
研修生と結婚した場合は一度帰国して再来日する方法が実務的にベストだと説明する行政書士のイラスト。
一度帰国すると在留資格がリセットされます。
技能実習生との結婚は帰国しないままでは許可が下りないのが現実です。
配偶者ビザを取得するには、実習期間が終わってから一旦帰国してもらう方法がポピュラーです。
日本から出国することでビザを一度リセットすることが可能です。
そのあとでもう一度日本に夫・妻を呼び寄せることになります。
成績不良の留学生との国際結婚でも、この手を使って結婚ビザを取得するケースが多いです。
手続き名は在留資格認定証明書交付申請と呼ばれるものです。
ポイントは実習期間が終了していることです。
技能実習のカリキュラムは全てクリアすることが必須条件になります。
最低限の義務はきちんと務めてくださいねということですね。
最低限の条件をクリアしておかないと、入管局から不許可リスクが極めて高くなります。
審査は普通の国際結婚よりも厳しめです。
技能実習生の国際結婚での呼び寄せは審査が厳しめになると女性行政書士が説明するイラスト。
なぜ審査が厳しくなるか
最初にも書いた通り、技能実習制度の趣旨から外れた行為であること。
ほかにも
・技能実習が嫌になって結婚したのでは?
・日本で居続けたいから結婚した?
・実習よりも稼げる仕事をするため?
枠線に書かれたような事を審査官は考えてしまいます。
他の不許可になりやすいケースでご紹介した通り、偽装結婚の可能性はゼロではないと疑いを持たれる可能性が高いです。
在留資格認定証明書の申請の際には今回の結婚が、
・真実の結婚であること。
・生活基盤も十二分にあること。
この2点をキッチリと立証する必要があります。
配偶者ビザの理由書や証拠写真などを普通の場合よりも多めに出すことをお勧めします。
対応方法
技能実習生と結婚する場合には特別な書類を提出するほうが良いことを女性行政書士が説明したイラスト。
入国管理局が求める最低限の書類の他にも
下記のような書類を提出することをお勧めします。
・日本人配偶者の両親や親族、友人の嘆願書
・実習先の同僚からの嘆願書
・近隣の住民からの嘆願書
・実習先の上司や経営者からの上申書
・監理団体からの上申書
普通の書類だけではなく、関係者からの嘆願書や上申書など特別な書面を用意しましょう。
数は多ければ多いほど有利になります。
嘆願書・上申書とは
ここで言う嘆願書や上申書は技能実習生との国際結婚を出入国在留管理局に認めてもらうために、
パートナーのご両親や親族、友人や職場の同僚などの夫婦が日本での生活が実剣するように、幸せになれることを本気で願う人たちからのお手紙です。
書式は特に決まっていませんので、その方たちの思いの丈を打ち明けてもらってください。
関係者からの嘆願書は多ければ多いほどに、申請者夫婦が周囲から慕われていることの証拠になり、
本気の結婚であることを審査官に印象付けることが可能になります。
日ごろからの生活態度が重要です。
嘆願書や上申書などと言った書類は、簡単には書いてもらえません。
だからこそ、威力を発揮するのです。
これらの書類を書いてもらうには、
日本の実習先での勤勉で真面目な仕事への取組み。
日本人パートナー以外の両親や親族、友人、地域社会との良好な関係の構築など、
常日頃の生活態度が非常に重要になってきます。
捏造の嘆願書や上申書は絶対にダメです。
周囲の人からの応援は非常に有難く、励みにもなります。
審査官の心証も変わってきます。
しかしこれらの書類の偽造や捏造は絶対にしてはいけません。
発覚した場合は一発で不許可になりますし。許可が下りた後でバレた場合も在留資格の取消し処分になる可能性が大です。
外国人のビザの記録は永久に残されています。
偽造した事実は一生消えることはありませんし、親族が日本に来る場合にも不利な証拠として使用されるリスクがあります。
絶対に偽造はしないでくださいね。