経済的基盤が著しく欠如している場合は不許可リスクが大きいです。
夫婦の年齢差が大きい、結婚紹介書のお見合い、出会い系サイトの場合は結婚の信ぴょう性が疑問視されるパターンです。
今回の世帯収入が少ない場合は、結婚生活の安定性や継続性に不安要素ありとされて不許可にされやすいケースです。
所謂、結婚・配偶者ビザと呼ばれる在留資格「日本人の配偶者等」を取得するための要件は2つあります。
・偽装結婚でないこと
・結婚生活が国や公共団体など公共の負担にならないこと。
公共の負担にならないというのは、生活保護のお世話にならないことを指しています。
判例では経済的基盤の有無は、結婚生活の安定性・継続性を基礎づける一要素で、その他の要素を総合的に見て、在留資格を出すかを判断するとあります。
一要素だと言われていても・・・
あまりにも経済的な基盤が欠けすぎると、不許可になることには変わりありません。
収入が低いと家計破綻リスクが大きくなります。
独身でも所得が少なく、財産が乏しいと生活は苦しいものがあります。
結婚した場合は、外国人配偶者の生活費が加算されます。
収入は少ないのに・・・支出は5割増しくらいに増えれば家計がどうなるかは火を見るよりも明らかですね。
結果的に福祉事務所から生活保護を受ける可能性が高くなります。
入国管理局は世帯収入が少ないと、この面を非常に気にします。
この場合の対応方法とは
結婚生活が国の負担にならずに行えることを書面で証明することが重要です。
実務的には経済的基盤に関する収入として、住民税の課税証明書によって確認されます。
入国管理局のホームページに「納税証明書」が必要なのはこれが理由です。
収入の目安は国民年金の基礎年金の年間支給額(満額)が最低限の基準となっています。
78万円×世帯人数=目安の収入ですね。
夫婦の二人暮らしだと78万円×2人=156万円。
夫婦と子供が一人いる場合、78万円×3人=234万円。
これが一応の目安と言われています。
生活状況によっては最低基準ではダメという事例もありますので、自分の年収で大丈夫かの判断は結構難しいです。
調べる必要があるもの
夫婦ともに納税証明書欄に書かれた収入が乏しいことを前提として。
夫婦の預貯金や不動産などの資産の有無。
キャッシュのフローがなくても、生活できるだけの資産(ストック)があれば安定的な結婚生活を営むことが可能です。
仕事がなくても当分の間、生活できるだけの貯金があれば、家計が破綻することはありません。
ご自身でローンや家賃の支払い義務がない住居を所有していれば、生活費は大幅に減らせて、比較的に収入が少なくても困窮する可能性が減りますね。
ご自身の就労状況
仕事をしているならば、仕事内容や待遇などを説明する必要があります。
フリーターなどの非正規雇用で収入が少なかったり、無職で収入そのものがない場合は、就職活動の状況を報告する必要があります。
例えばハローワークで仕事を探してる、就職エージェントに相談しているなど、仕事を見つけるための努力を怠っていないことをアピールする必要があります。
また雇用保険や失業保険をもらっている場合は、その旨と額を報告して、当面の生活に支障がないことを強くアピールすることをお勧めします。
今年就職したばかりで納税証明書の所得金額が低額・もしくはゼロの場合
住民税の納税証明書は前年の収入に対しての課税額と納税額を証明する書類です。
今年に就職した場合は、去年の収入が無いのでゼロ円というケースも珍しくありませんよね。
このままだと収入が無くて生活基盤に問題ありと見做されて大阪入管局から不許可の危険性があります。
この場合は勤務先の給与明細や在職証明書を用意して裏付け書類として提出すると良いでしょう。
家族や親族からの援助が見込めるか?
ご自身に経済能力が乏しくても、両親や兄弟または親戚からの援助が見込めると、即座に家計破綻に陥る可能性は低いですね。
両親が所有しているマンションに住むことができたり、生活費の仕送りなどの夫婦生活の応援をしてもらえるかを確認すると良いでしょう。
家族や親族から援助を受ける場合は、大阪入国管理局に提出する質問書や理由書に、「援助してもらえるので当面の生活に困ることはございません」と記載するだけでは不十分です。
どの様な支援が受けられるのかを詳しく説明する必要があります。
親族の経済能力を証明する課税証明書や不動産の登記簿などの証明書も必要になってきます。
申請者が生活保護を受けていた場合
ここで紹介するお話は、フィクションで如何なる個人や団体とも関係がありません。
(個人が特定できないレベルに加工しております。)
入管局は生活保護を貰っている段階では、ほぼ100%許可は出ないです。
夫婦がどれだか愛し合っていても、生活できない状況では厳しすぎます。
対処法は、まず生活保護から脱却することです。
あとは生活基盤を整える(自分たちだけで出来ないならば親族の力を借りるなど)事が重要です。
この事例は日本人と外国人配偶者のカップルです。
日本人配偶者が外国で仕事をしていた時に、現地で知り合った方と結婚した事例です。
これだけならば、国際結婚でよくあるケースです。
収入に問題がなく、偽装結婚でないことを証明できれば、普通に配偶者ビザが下りる案件ですね。
この国際結婚カップルには、ビザ取得に大きな問題がありました。
日本人のパートナーが身体的に問題が出て、仕事を退職していました。
そして貯金を食い潰して、病気の治療と生活費を賄う生活を続けていました。
そんな生活が数年続き貯金が底をついて、生活保護を受給することに。
失意のパートナーを支えていたのが、外国に住む後の配偶者です。
話は飛びますが、この二人は結婚することになりました。
国際結婚は外国方式で行って、あとは配偶者ビザの取得だけという段階で躓きました。
入管局から結婚ビザでの呼び寄せ(在留資格認定証明書交付申請)の許可が下りませんでした。
(生活保護を貰っている状態で申請した。)
生活保護世帯の配偶者ビザ
この時に行った対処法ですけども・・・
・生活保護を脱却する。
・親族(ご両親)からの援助。
この2つを行いました。
生活保護を脱出
何度も書きますが、福祉を受けている状態では在留資格「日本人の配偶者等」のビザは許可は絶望的です。
生活保護を脱却するために、日本人の方は就職活動を行いました。
(この時点でほぼ完治して、仕事ができる状態まで回復していました。)
それで何とか仕事を見つけて、収入を得て生活保護から脱する道筋が見えてきました。
親族からの援助
ビザの申請時には、福祉から外れることが可能でしたが・・・
就職して間がなく、経済的基盤に安定性がないと判断される可能性があります。
就職から1年が経過していないので、住民税の納税証明書上の所得がゼロ円でした。
そこで親族(ご両親)からの援助を求めることになりました。
(生活保護は世帯が切り離されていれば、単独でも受給できる場合があります。)
ご両親には外国人配偶者の身元保証人になって頂きました。
それだけでは足りませんので、理由書にも夫婦を援助する旨を記入しました。
ご両親に嘆願書を記入していただきました。
上記の対策の結果、1年の配偶者ビザが下りました。
この様に、かなり厳しい状況でも、ビザが許可されることがあります。
本当の要因は日本人パートナーが、夫婦で一緒に暮らすことを諦めずに頑張った結果です。