配偶者ビザを取得する際に必要な質問書。
質問書とは結婚ビザや配偶者ビザの取得手続きするときに提出する書類の一つです。
入国管理局が申請者(ビザを求める外国人)に対して、聞きたいことをまとめた質問集です。
質問書は全部で8ページにも及ぶ、大変ボリュームがある書類になっています。
記載のポイント
・嘘を書かないこと。
・ほかの書類との整合性を考慮すること。
質問書を作成する上での大前提は、虚偽の内容を書かないことです。
都合の悪い内容を敢えて空欄にすることもリスクが非常に高くなります。
注意点
見本例はビザの取得を保証するものではありません。
質問書の書き方を分かり易くする目的で作成したものです。
ここから質問書のご説明に入ります。
国際結婚した夫婦の設定
質問書の記入項目が多いので、予め設定事項をまとめておきます。
夫婦のデータ
夫:剛田 龍之介(市在住)
妻:Lisa Fisher (アメリカ人 ワシントンDC)
夫の職業:会社員
妻の職業:教員
住居:賃貸で家賃が7万円
結婚式:のガーデンオリエンタル
質問書の1ページ目
説明書き
質問書の注意事項が書かれています。
箇条書きにすると
・該当する場所にチェックか〇をつけてください。
・事実と異なる内容を書かないでください。
・発覚した場合は審査が不利になります、場合によっては罪に問われます。
・質問書の内容が正しいことを署名してください。
・できる限り詳しく記入してください。
・申請人とはビザ取得を希望する外国人の方を指します。
・配偶者は、外国人と結婚した方(日本人)のことを指しています。
1 お互いの身分事項について
国際結婚した夫婦についての基本的な情報を記入します。
申請人の氏名と国籍。
配偶者の氏名、住所、電話番号、携帯番号、同居者の有無(配偶者と同居していれば「有」にチェック)
住居は自己所有か賃貸か、家賃はいくらか、広さはどれ位か?
配偶者の職場の名称に住所、電話番号、就職した年月日。
記入のポイント
・同居者がいる場合は、その人の名前を記入します。
見本では妻のLisa Fisherさんと同居しているので、「Lisa Fisher」と記載しています。
・住居のデータは賃貸なら賃貸借契約書を見ながら記入します。
・配偶者の職場の就職年月日は会社から取得した「在籍証明書」に書かれた日付を記載します。
質問書の2ページ目
結婚に至った経緯について(1)
国際結婚したカップルが初めて出会った日時と場所を記載します。
交際期間が長くなると、ファーストコンタクトの年月日を正確に覚えていないケースもあります。
その場合は年と月だけでも、大丈夫です。
重要なのは年月日ではなく、交際から結婚に至った中身です。
見本では初めて出会った日時は2014年の6月22日としています。
出会った場所が市都島区にあるガーデンオリエンタルという結婚式場です。
ガーデンオリエンタルはの桜ノ宮付近にある、旧市公館です。
結婚に至った経緯(2)
次に初めての出会いから交際、結婚に至るまでのいきさつを文書で説明します。
年月日を入れながら正確に記入する必要があります。
見本に簡単な経緯を記入しました。
設定は日本人夫の友人の結婚式で、新婦の友人を紹介されたのが切っ掛け。
デートを繰り返して、告白、アメリカ人の妻の故郷に桜まつりを見に行き、プロポーズ。
日本で結婚しました。
この様な文書を簡単に記載しました。
実際はこの数倍の文書を書くほうが良いと思います。
見本にも記載していますが、どの様に記入するのかを書いただけで、この通りに書いてもビザの取得を保証する内容ではありません。
入国管理局が用意した書面で足りない場合は、「別紙のとおり」と記入して、別の書面に記入していきます。
質問書の3ページ目
質問書3ページ目
3ページ目からは、今回の国際結婚の真実性を証明する内容になってきます。
具体的には紹介者の有無と夫婦のコミュニケーションの方法が質問されます。
最近の入管局では、夫婦の共通言語について非常に厳しく審査を行っております。
これに関する詳細な解説は別記事にて紹介しております。
ご興味がある方はこちらの記事もご覧ください。
関連記事:夫婦の日常会話での共通言語が審査で重視される理由と対処法。
紹介者の有無について
夫婦の出会いと結婚に紹介者(会社)がいるかのチェックです。
いない場合は「□無」にチェックか〇を付けます。
紹介者がいる場合は「□有」にチェックを入れます。
その後に紹介者のことを詳細に記入していきます。
紹介者の名前(会社の場合は名称)から住所、生年月日、電話番号など根ほり葉ほり聞いてきます。
見本には、日本人配偶者(剛田龍之介)の友人が紹介者(骨太柱隆二)という設定ですので、彼の情報を記入しました。
紹介者のデータの後には、紹介を受けた日、場所も記入を求めてきます。
ここも友人の結婚式で出会ったので、日時と場所を記入しました。
紹介者と申請人(外国人配偶者)の関係
紹介者(会社)と申請人の関係を記入します。
見本には紹介者の妻の友人という設定にしています。
紹介者(会社)と配偶者(日本人)の関係
今度は日本人配偶者と紹介者の関係を記入してきます。
ここでは高校時代からの友人という設定にしています。
夫婦間の会話で使われている言語
国際結婚したカップルが普段の会話で使う言葉を記入します。
次にお互いの国の母国語を記入します。
見本では、日常会話は日本語、たまに英語と記入しています。
ここまで紹介者のことを詳しく質問してくるのか?
質問書を見ると、紹介者に関係する内容が妙に多くなっています。
入国管理局は、国際結婚の紹介会社や恋人紹介書経由の結婚を偽装結婚ではないかと強く疑っています。
ご興味のある方はご一読いただけると嬉しいです。
質問書4ページ目
4ページ目も日本人と外国人配偶者のコミュニケーションに関する内容が中心になっています。
入国管理局は夫婦のコミュニケーション問題にも強い関心を抱いております。
申請人の日本語能力について
正確には申請人(配偶者ビザ取得を希望する外国人)が、相手の母国語をどの程度理解できるかという質問ですね。
該当する箇所にチェックを入れます。
見本の事例では「□ 会話に支障なし」という項目にチェックを入れています。
配偶者の外国語能力につい
次の質問は日本人配偶者が、相手の母国語をどの程度、理解できるかを確認する質問です。
見本の事例ではここも「□ 会話に支障なし」にチェックを入れています。
申請人はどの様にして日本語を勉強しましたか?
外国人配偶者が、日本語をどの様にしてマスターしたのかを具体的に記入します。
例:日本語学校で勉強した、母国の学校で日本語を専攻したなど。
見本では大学で勉強したと記載しました。
後は日本語能力を示すために、日本語能力試験の合格実績を記入しています。
お互いに言葉が通じない場合は、どのようにコミュニケーションを取っていますか?
日本人同士でも、意思が疎通しない場合があります。
母国語が違い、文化背景も異なれば、意思の疎通のハードルは上がります。
この時にどのようにして、お互いの意思を知ることが出来るのかを確認した質問です。
その時に取っている具体的な方法を記入してください。
翻訳アプリを使用する、翻訳者を間に入れるなど。
見本ではお互いにバイリンガルという設定なので、特に困ったことがないと記載しました。
(実際は中々難しいですけども)
通訳者がいた場合
通訳をする人がいる場合は、その方の住所、氏名、国籍を記入します。
日本国内の結婚された方は婚姻届けの証人2名を記入してください。
日本で婚姻届けを出す場合は、証人2名の証明が必要になります。
婚姻届けに記入した、証人の情報を記入します。
見本では日本人配偶者の両親が証人になっていますので、両親の情報を記入しました。
最近の審査は夫婦間のコミュニケーションが重要視されています。
結婚ビザの審査で、厳格に審査される項目に夫婦の会話に関する事項があります。
夫婦が日常会話を何語で話すのか?
きちんとお互いの意思が通じているのか?
多角的に調査が入ります。
それが質問書の質問項目にも反映されています。
ここで、夫婦がお互いの母国語を殆ど理解できない。
英語など夫婦で共通に理解できる言語がないなどの場合は、特に厳しい審査が入りますね。
普通に考えて、お互いに意思疎通ができない相手と結婚することはあり得ないです。
夫婦ともに堪能な言葉がない場合は、様々な資料を用いて、お互いの意思疎通ができることを証明する必要があります。
質問書5ページ目
5ページ目は結婚式とお互いの婚姻歴についての質問です。
結婚式(披露宴)を行った方は、その年月日と場所を記入してください
国際結婚された方が結婚式を行った場所と日時を記入します。
後はお互いの親族で誰が出席したかを該当する箇所に〇をします。
見本では2019年の3月16日(大安)に、ガーデンオリエンタルで結婚式をしたと記入しました。
出席者も該当する箇所に〇をつけています。
婚姻歴
申請者と配偶者の婚姻歴を記入します。
初婚であれば「□ 初婚」にチェックを入れた段階で終了します。
離婚歴がある場合は「□ 再婚( 回目)」の欄にチェックを入れて、離婚歴の回数を記入します。
さらに前婚の期間と離婚の原因を記載します。
申請人がこれまでに日本に来た回数と時期
申請人(配偶者ビザを取得希望の外国人)が以前に、日本に来た回数と時期を記入します。
見本では2008年から2012年まで留学で来日して。
2013年から現在まで仕事で来日したと記入しています。
離婚歴も審査で重要視されます。
配偶者ビザで不許可になりやすい事例として、過去に離婚歴があると審査が厳しくなります。
詳しくは過去に離婚歴があると入管の審査が厳しくなるという記事で解説しています。
ご興味のある方は、ご一読ください。
質問書6ページ目
配偶者が申請人の母国に行った回数と時期
5ページ目の最後に質問が書かれており、回答は6ページ目になります。
配偶者(日本人)が、外国人配偶者の母国へ行った回数と時期を記入します。
見本では、剛田龍之介さんはLisaさんの母国へ2回渡米しています。
1回目はワシントンの桜まつりを観光する目的で。
2回目はプロポーズが完了して、Lisaさんのご両親に挨拶へ行ったときです。
申請人は日本から退去強制されたことがありますか
申請人(結婚ビザ取得を希望する外国人配偶者)が過去に日本で退去強制(強制送還)された経験があるかの質問です。
該当する欄にチェックを入れます。
退去強制歴がなければ「□ 無」にチェック入れて終了です。
退去強制歴がある場合は、「□ 有」にチェックを入れます。
その後に違反内容や出国した時期や空港。
さらに当時のパスポートの情報と今のパスポートと同じ内容か否か。
などの内容を記入していきます。
見本では退去強制歴が無い設定ですので、「□ 無」にチェックを入れています。
質問書7ページ目
退去強制されるまで、夫婦で同居した事実がある場合は、その期間と住所
上記の事実がない場合は空欄でOKです。
退去強制されるまでの間に、同居の事実があれば期間と住所を記入します。
在留特別許可関係の手続きでは、必須の項目になります。
申請人と配偶者の家族関係
妻側と夫側の家族の情報を記入します。
記載する内容は続柄、氏名、年齢、住所、電話番号です。
亡くなっている場合は、住所欄に「死亡」と記載します。
申請書8ページ目
お子さんについて
国際結婚した夫婦にお子さんが居られる場合は記入します。
お子さんは、夫婦間で生まれた子供だけに限りません。
結婚前に生まれた子供も記入します。
注意点:結婚生活が安定して、海外にいる連れ子を呼び寄せるときに、この欄に子供の記載が無いと審査が厳しいことになります。
親族で今回の結婚を知っている方
該当する方にチェックを入れます。
見本の例では下記の続柄の方が結婚を知っているという設定ですので、
夫側:父・母・兄・妹
妻側:父・母・姉
の欄にチェックを入れています。
国際結婚でビザを取得する場合、親族が結婚の事実を知らない場合は審査が厳しくなります。
以上下記の内容に間違いありません。
最後に日付と申請者の欄に申請者が署名します。
以上で質問書の書き方と見本を終了します。
お疲れさまでした。