ペルー人と日本人が結婚する場合の手続きの流れと必要書類
秘国人と日本人が結婚する場合、双方の国で婚姻を成立させる必要があると説明する女性行政書士のイラスト。
このコンテンツは秘国人と日本人が国際結婚する時の手続きや必要書類、注意点をご紹介します。
(秘はペルーの漢字一文字表記です。)
国際結婚を成立させるには、日本国とペルー共和国の両方で婚姻手続きを完了させる必要があります。
順番は日本からでもペルーからでも、何方からスタートしても大丈夫です。
日本から始める場合は、日本方式(日本で創設的届出)と呼びます。
逆はペルー方式(日本で報告的届出)となります。
ペルー方式で行う場合、日本人が現地に滞在する期間は結構長いです。
・片道だけで24時間から30時間
・婚姻要件具備証明書の発行に3日から5日
・健康診断の受診(1日)
・現地の役所での公示期間(8日)
・挙式(1日)
スムーズに進めても2週間以上かかります。
手続きを始める前に双方の大使館に事前確認を
当サイトでは、細心の注意を払って情報を公開しておりますが。
国際結婚の手続きは、先方の国の法律や大使館でのルールが頻繁に変更されます。
(ルールの変更が告知されない場合も少なくない。)
また地元のペルーの役所ごとに独自のルール(ローカルルール)が存在します。
(日本の区役所でも書類が微妙に異なるケースがあります。)
最悪、必要書類が足りなくて日本・秘国にとんぼ返りする羽目に陥ります。
この様なリスクを最小限にするためにも、手続きを始める前に大使館や外務省で最新情報を入手が必要です。
双方の大使館のURLを掲載いたします。
在ペルー日本大使館
https://www.pe.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
在日本ペルー大使館
http://embajadadelperuenjapon.org/ja/
新型コロナウイルスの影響でペルーは国境封鎖を行っています。
令和2年3月16日からペルーは国家非常事態宣言を発令し、国境封鎖と移動制限になっています。
国境封鎖が原因で、日本に戻れない人が居るとニュースになっています。
参考:日本大使館のウェブサイト
ペルー大使館に(ペルーにおける国家非常事態を宣言する最高令(14日間の国境閉鎖を含む)掲載されていますが、URLが長すぎたので、ここでは省略いたします。
https://www.pe.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00034.html
現時点では、日本人を含め外国人はペルー共和国に入国が不可能になっております。
秘国の方と国際結婚する場合は、国家非常事態宣言が解かれた時から始めることになります。
ペルー人の婚姻条件
ペルー人が法律婚で求められる要件を紹介する行政書士の画像。
ここではペルー国籍の方が結婚に必要な条件をご紹介します。
日本人もペルー方式で結婚する場合は、この条件に拘束されます。
結婚年齢:男女ともに18歳以上。
16歳以上の場合、裁判所が許可した場合は婚姻できます。
裁判所の許可と両親の同意も必要。
婚姻が出来ない者。
・慢性の病気を持つ者
・伝染病性の病気を持つ者
・慢性的な精神障害と診断された者
・聴力・視力・言語機能に障害があり、自分の意思を明確に表示できない者
重婚:ペルーは一夫一妻制度を採用。
近親婚:一定の範囲内で禁止。
再婚禁止期間:女性は婚姻解消後、300日間の再婚禁止期間あり。
裁判所の許可があれば、禁止期間が免除される場合あり。
後見人と被後見人の結婚は、後見人でいる間は結婚できない。
生存配偶者(死別)した場合に、子供がいる場合は、相続関係の手続きが終了するまでは結婚できません。
日本方式でペルー人と国際結婚する手続き
ペルー人と日本人が結婚する場合で日本国で創設的届出をする場合のスケジュールを紹介する女性行政書士のイラスト。
ここからは日本で創設的届出する場合のスケジュール等を紹介します。
ペルー人婚約者が、就労ビザなどの在留資格を持っている場合に日本方式が選択される方が多いです。
手続きの流れは以下の通りです。
① 在日本ペルー大使館に出頭。
・独身の宣誓供述書を入手。
・独身証明書や出生証明書は秘国の地元の役所で入手。
ペルー大使館は自国民の婚姻要件具備証明書を発行していません。
② 日本の区役所
・婚約者二人で区役所に出頭。
・婚姻届を提出。
・ペルー人パートナーが準備した書類提出。
・受理後に婚姻届受理証明書と戸籍謄本を入手。
・多くの場合で、法務局の受理伺いとなり、受理されるまで数か月が必要。
(法務局の面接もあります。)
国際結婚での婚姻届の書き方は、別コンテンツでご紹介しております。
必要な方はご覧になってください。
③ 日本の外務省
・区役所で入手した婚姻届受理証明書と戸籍謄本の認証。
・ハーグ条約に加盟しているので、アポスティーユ認証。
④ 在日本ペルー大使館
・婚約者2名で出頭。
・認証された書類などを提出。
・結婚登録書に署名。
・ペルーの婚姻証明書が発行されます。
(配偶者ビザ取得での必須書類)
⑤ 手続き完了(Mission complete!)
・お疲れさまでした。
・ここで日本方式の手続きは終了です。
・次は配偶者ビザの手続きです。
必要書類
ここから役所に提出する書類の例をご紹介します。
日本の区役所で提出する書類
日本人
・婚姻届
・本人確認書類(免許証・パスポートなど)
・戸籍謄本(本籍地以外で結婚するとき)
ペルー人
・独身証明書(地元の役所で入手)
・出生証明書( 〃 )
・独身の宣誓供述書(ペルー大使館で取得)
・パスポート
・在留カード
・住民票
・ペルーの役所から発行された書類の日本語訳
(翻訳者の住所氏名と署名が必要)
・申述書(自由形式)
(ペルーで婚姻要件具備証明書が発行されない旨の申述)
ペルー大使館で提出する書類
日本人
・婚姻届受理証明書
・戸籍謄本
(両方とも外務省のアポスティーユ認証付き)
ペルー方式での国際結婚手続き
ペルーで創設的届出をする場合のタイムテーブルを紹介する行政書士の画像。
ここからはペルー方式での国際結婚手続きをご紹介します。
① 在ペルー日本大使館
・日本人の婚姻要件具備証明書を入手
・本人が大使館に出頭
・書類が出来るまでに3営業日程度必要
② ペルーの市・区役所に婚姻の申し出
・ペルー人パートナーの住所地を管轄する役所
・書類を提出
・区役所に行く前に、ペルーの病院で健康診断
日本語の書類はスペイン語に翻訳が必要です。
秘国の外務省で公文書の翻訳サービスがあります。
日本の書類の認証と翻訳を一気に行えます。
ペルー外務省の翻訳に関するウェブサイトのページ。
https://www.gob.pe/462-ministerio-de-relaciones-exteriores-traduccion-de-documentos-para-uso-oficial
③ 8日間の公示期間
・書類の受理後に、市庁舎の掲示板に8日間、カップルの情報を掲示。
・一般紙に結婚に関する情報を掲載。
・新聞がない地域は最寄りのラジオ局で放送してもらう。
(ラジオ局の代表者のサインと費用の明細を後日に提出)
・公示期間に異議申し立てがなく、婚姻資格ありと認定されれば結婚式へ
・異議申し立てがあった場合は裁判へ
④ 婚姻の儀式
・役所から許可が出た後の4か月以内に結婚式を行います。
・場所は市庁舎・教会で行います。
(大抵は教会で行い、人によっては両方でする人も)
・結婚式は公開で行われます。
(近所の人が普通に参加してくるとか、ラテン気質です。)
・市区長・市区長の委任を受けた司祭の面前で挙式。
・成人の証人が必要。
(新郎新婦の3年以上前からの知人であること)
・結婚式の内容は、司祭などの質問と宣誓。
(日本人もスペイン語で宣誓が必要)
(挙式はシャイな日本人にはハードな面があると聞きました。)
⑤ 挙式後に婚姻証明書に署名
・当事者
・市区長、司祭
・証人
⑥ 婚姻の登録
・署名が終了した後に婚姻の登録を行う。
・登録証書の写しが正式な婚姻証明書。
・ここでペルー側の手続きが終了。
⑦ 在ペルー外務省
・ペルーの役所で入手した婚姻証明書の認証。
⑧ 日本の役所で婚姻届
・秘国にある日本大使館
・日本の区役所
・婚姻届が受理されれば日本側の手続き完了。
必要書類
ここからは必要書類についてご紹介します。
あくまでも一例ですので、再度大使館などで確認願います。
在ペルー日本大使館
・申請書(大使館のウェブサイト)
・戸籍謄本(3か月以内の発行)
・パスポート
・手数料35ソル
2020年3月29日現在で1ソルは31.67円です。
日本円に換算した手数料は、約1108円となります。
ペルーの役所に提出する書類
日本人が準備する書類
・パスポート
・戸籍謄本(日本外務省の認証付き)
・スペイン語への翻訳文(ペルー外務省で翻訳可能)
・婚姻要件具備証明書
・ペルー国内の病院で受けた医師の診断書(30日以内の発行)
ペルー人が用意する書類
・出生証明書
・現住地の居住証明書
・ペルー国内の病院で受けた医師の診断書(30日以内の発行)
・国家身分証明カード(DNIカード)
日本の役所に提出する書類
日本人
・婚姻届
・戸籍謄本
・パスポート
ペルー人
・身分証明書(DNI・パスポートなど)
・婚姻登録証明書
・日本語訳文(ひな形が大使館HPにあり。)