在留カードの義務を怠ると面倒なことに。始めてのお客さま専用電話番号

在留カードの義務を怠ると面倒なことに。

 

3か月以上のビザを持つ外国籍の方は在留カードが交付されます。

在留カードの義務違反

 

配偶者ビザの手続きには在留カードの届出義務を守ることをの大事さを行政書士が説明するイラスト。

 

平成21年以前までは日本に滞在する市区町村役場で外国人登録を行っていました。
区役所から外国人登録証が交付されていました。

 

平成21年の入管法の改正で外国人登録証から、在留カードに変更されました。
これは日本で暮らしている、外国人の住所などの管理が地方自治体から出入国在留管理庁に移管したことが理由です。

 

今までは市区町村と出入国在留管理庁が別々に情報を管理していましたが、在留カードを通じて法務大臣が一元的な管理を行うようになっています。
その結果、正規滞在している外国人の方に様々なメリットが生まれています。

 

・以前は最高で3年までだったビザの期間が5年に延長
・1年以内に再入国する場合は、簡単な手続きで再入国が可能に(みなし再入国制度)
・外国籍の方にも住民票が発行されることに

 

在留カードとは

在留カードとは3か月以上の在留期間を許可された方に発行される免許証サイズの身分証明書です。
中長期滞在者の新規入国や在留期間更新許可(ビザの延長)や在留資格変更許可(ビザの変更)などが行われる度に新しいカードが発行されます。

 

在留カード表

在留カード裏

 

在留カードの見本画像。

 

出典:出入国在留管理庁のウェブサイトより。

 

http://www.immi-moj.go.jp/tetuduki/zairyukanri/whatzairyu.html

 

 

在留カードは常に持ち歩く必要があります。(常時携帯義務)
街中の警察官などに提示(見せること)を要求された場合は、即座に見せなければなりません。
カードを持ち歩いていないと、常時携帯義務違反になり罰則が科せられます。
在留カードの代わりにパスポートを持ち歩いていてもペナルティは免除されることがありませんのでご注意ください。

 

在留カードの記載事項

在留カードの記載事項
在留カードに記載されている内容を行政書士が説明している様子のイラスト。

 

在留カードには本人の写真のほかに下記の情報が記載されています。

 

・氏名・生年月日・性別・国籍
・居住地(日本での住所)
・在留資格(配偶者ビザ)の種類
・在留資格の有効期限、満了日
・許可の種類と年月日
・在留カード番号
・カードの交付された日時
・就労制限の有無
・資格外活動を受けているか否か

 

氏名

 

カードの持ち主の名前はパスポートに書かれている氏名になります。
アルファベットの大文字のローマ字が記載されます。
中国人、台湾人、香港人や韓国人などパスポートに漢字名が書かれている方は、カードの発行時に届け出を行うことで、ローマ字と漢字名の両方を併記することができます。

 

日本でのみ通用する住民票に登録された通称名は、在留カードには記載されませんのでご注意ください。

 

 

関連記事:配偶者ビザでの通称名の取り扱い。

 

 

関連記事では国際結婚夫婦の名字や通称名についてご紹介しています。
ご興味のある方は上記のテキストリンクをクリックかタップしてご確認ください。

 

在留カードの有効期限

現在所持しているカードの有効期限は、在留期間満了日までになります。
例えば在留資格「日本人の配偶者等(結婚ビザ)」で1年間の期限がある人ならば、カードの有効期限は1年となります。

 

ちなみに在留期限がない永住者や高度専門職2号だと在留カードは7年間有効です。
永住ビザでも7年に1回はカードの更新が必要になります。
日本国籍を取る帰化をしない限り、外国籍の方は何らかの形で出入国在留管理庁との縁が残ります。

 

在留カードの手続き

在留カードの手続き
在留カードは定期的な手続きが必要なことを女性行政書士が説明している様子の画像。

 

在留カードは記載事項に変更があれば役所に変更届を出す必要があります。
具体的な手続きとしては。

 

・新規上陸後(来日)に家を決めた時の届け出
・在留資格変更等に伴う居住地の届け出
・居住地変更の届け出
・居住地以外のカードの記載内容の変更に関する届け出
・在留カードの有効期間更新申請
・紛失等(失くした)による在留カードの再交付申請
・汚損(汚した・破いた)等による在留カードの再交付申請
・交換希望による在留カードの再交付申請
・在留カードの返納
・カード所有者による所属機関に関する届け出
・所属機関による届け出

 

新規上陸後(来日)に家を決めた時の届け出

配偶者ビザの場合だと、外国にいる配偶者を呼び寄せて、日本に到着後の住所を区役所などに届出する手続きです。
関空などの空港だと、空港内で在留カードを貰います。

 

貰ったカードには住所が記載されていません。
カードに日本の住所を記入するための手続きが必要です。
期限は上陸(来日)から最大で90日以内にです。

 

正当な理由がないのに区役所への届け出を行わなければ、在留資格取消しの対象になる可能性があります。

 

在留資格変更等に伴う居住地の届け出

短期滞在ビザなど在留カードの対象外だった人が、ビザ変更などで中長期滞在者になった場合に行う手続きです。
提出先は住所を管轄する区役所などになります。

 

期限は2週間ですので、忘れずに手続きを行ってくださいね。
こちらも届出を行わないとペナルティがあります。

 

関連記事:短期滞在ビザから配偶者ビザへ変更する場合。

 

居住地変更の届け出

これは引っ越しして住所が変わったときに行う手続きです。
提出先は引っ越し先の区役所に書類を提出します。

 

実際は引っ越し先の区役所で転入届を出すときに一緒に行われます。
きちんと引っ越しの手続きを行っていれば問題はありません。
あと期限は14日ですのでご注意ください。

 

この手続きはビザの更新や変更の時の審査に大きく影響してきます。
ビザの相談でも、たまに居住地変更の届け出を失念されている方がおられます。

 

提出を忘れただけでも在留カードの届け出義務違反扱いを受けます。
次回のビザの更新で在留期間が短くなったり、最悪は不許可になる可能性があります。

 

カード所有者による所属機関に関する届け出

配偶者ビザを持っている方が離婚した場合に提出が必要な書類です。
基本的には離婚した日から14日以内に届出が必要です。

 

書類の書き方は下記のページでご紹介しています。
ご興味のある方はリンクをクリック・タップしてください。

 

 

関連記事:配偶者に関する届出の書き方と見本。

 

 

結婚ビザの場合は所属機関に関する届出ではなく、配偶者に関する届出になります。

 

期限を経過後に手続きを行った場合

在留カードの手続きを期限経過後に行った

 

期限内に在留カードの変更届ができなかった場合の対処法を女性行政書士が紹介している様子のイラスト。

 

在留カードの手続きには締め切りがあります。
新規で来日した場合に住所を決めた時は3か月。
それ以外の手続きの場合は、14日以内です。

 

仕事の都合や家庭の都合などで提出が遅れた場合でも必ず区役所などに提出してください。

 

審査要領によると、申請や届け出期間を経過した場合でも届出を受け付けるとあります。
その代わり遅れた理由と再発防止策を書いた文書を提出しなければなりません。
さらに役所の職員から、今後は遅れないようにと指導されます。

 

定められた有効期限内に提出をしないと最悪の場合は罰則を科せられてしまいます。
次のビザ更新や変更でマイナス方向に審査を受けたり、最悪は不許可や在留資格の取消しで日本に滞在できなくなる可能性がございます。

 

在留資格変更、更新許可のガイドライン

ビザの更新や変更するときの参考にと入管局が公表している資料があります。
『在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン』と呼ばれる文書です。
インターネットで検索すると、ヒットしますのでご興味がある方は検索してみてください。

 

ガイドラインには「入管法に定める届出等の義務を履行していること」がビザ更新や変更の要件と書かれています。

 

ここで言う届け出とは

 

・在留カードの記載事項に係る届出
・有効期間更新申請
・紛失等による在留カードの再交付申請
・在留カードの返納
・所属機関等に関する届出

 

入管局が上記の届出がされていないことを発見した場合は、口頭と文書で指導してきます。

 

居住地変更(住所)の届出が提出されていない場合

入管局の内部資料によると

 

配偶者による暴力(DV)被害で届出ができない場合は、提出していない場合でも即座に違反扱いにはなりません。

 

まずは口頭で住所変更届の提出を指導がきます。
この時に申請書には指導がされた事実が記載されます。
期限は通常は7日間与えられます。

 

指導から1週間経過後も届出を放置した場合、今度は文書で指導が来ます。
期限は1週間で、この間に区役所に書類を提出すれば、義務は履行した形になります。
ただ義務は履行したとしても、更新や変更で貰える在留期間は短くなります。

 

逆に1週間たっても何もしなければ、在留資格の更新や変更は不許可になってしまいます。

 

配偶者に関する届出を出していなかった場合

審査要領によりますと、配偶者に関する届出が出ていないことをもって、即座にビザの更新や変更が不許可になることはないと書かれています。

 

在留資格更新許可申請や在留資格変更許可申請で提出する書類に、離婚や再婚した事実が書かれており、立証資料が揃っていれば特段の事情がない限りは不許可にしないとあります。

 

その代わり入管局からは再発防止についての指導がきます。
また新しいビザの有効期間は短くなってしまいます。

 

このようなペナルティがありますので、可能な限り期限までに提出することを強くお勧めします。

 

また許可の更新と次回の在留期間に影響があります。

在留カードの届け出義務違反をもって、即座に配偶者ビザが不許可になることはありません。
しかし・・・
在留資格更新許可申請で、ダメージを受けることになります。
配偶者ビザで最長の5年や永住ビザの条件である3年の在留期間を取得するには、在留カードの届け出義務をキチンと履行されていることが求められます。

 

入管局が定めたルールを守っていない場合は、ビザの延長時にペナルティを科されます。
具体的には5年のビザを持っていた人は3年にランクダウンしたり、3年の人が1年に短縮される可能性が高いです。
特に3年から1年に在留期間が変更されると、永住ビザなどの将来的なビザにも大きな影響を及ぼします。

 

詳しい在留期間の基準に関しては下記のページでご紹介しています。
ご興味がある方は、こちらの記事もご覧ください。

 

 

関連記事:配偶者ビザと在留期間の基準。

 

 

長くなりましたが、ここまでお読みいただき、有難うございます。

在留カードの義務を怠ると面倒なことに。

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